・木製バットのつくり方・バットづくりの名人たちバットの森金属バットのつくり方


<木製バットのつくり方>

原木の種類

金属製バット全盛の時代ですが、やはり打撃の神髄は木製バットにあるとされています。
プロ野球で金属製の使用が禁止されているのは、その裏付けとも言えるでしょう。では、どんな木材が木製バットに適しているのでしょうか。原木として使われるのは、アオダモ、ヤチダモ、ホワイトアッシュ、トネリコなど。アオダモは堅くて重いので、主に硬式用に使われます。ホワイトアッシュは外材で、アオダモ、ヤチダモの原木不足により、輸入が増加しています。その他、セン(栓)やホオ(朴)、タケ(竹)の合板バットもあります。
ヤチダモ(モクセイ科)
俗にタモとも呼ばれる。日本特産。本州中部以北に自生し、北海道に特に多い。落葉大高木で、高さ25メートル、胸高直径1メートルに達するものもある。

トネリコ(モクセイ科)
略してトネリともいう。九州にも自生するが、本州の中部以北に多い。落葉高木で、高さ15メートル、胸高直径60センチに達する。原料不足から、今はほとんど使用されていない。
アオダモ(モクセイ科)
学名はコバノトネリコ。日本全国に分布するが、北海道に特に多い。日高山脈から十勝平野北部、阿寒湖にかけての地帯に良材が出る。落葉高木で、高さ12メートル、胸高直径は60センチに達するものもある。
ホワイトアッシュ(モクセイ科)
アメリカトネリコとも呼ばれる。米国北部、それも北緯45度線に沿った五大湖周辺にのみ分布し、落葉大高木。高さ30メートル、胸高直径は1メートルにも達する。



木製バットの製造工程

原木からバットがどんな風に作られるのか、工場での製造工程を追ってみましょう。

●工場へついた原木材

実際のバットよりやや長め、太めの角材の形で原木材が到着します。

●選別、木どり作業

木目の状態や節の有無、キズなどを入念に調べ、乾燥しやすいよう”ぜい肉”をとります。

●乾燥

急に乾燥させるとヒビ割れやハガレをまねくので、45日〜60日かけてじっくり火力乾燥させます。

●中けずり

十数個の複雑な刃がついているバット旋盤で、本仕上げ寸前の形にまで削っておきます。

●本けずり
ロクロを使う、完全な手作業での本けずり。ノミのあて方ひとつでバランスが変わってきます。
●出荷を待つ
マーク、ブランド名などが印刷されてバットが完成。梱包され、出荷の時を待ちます。



圧縮バットの製造工程

●原木の入庫・保管
ダブル圧縮バットの原木材は、全て米・ニューヨーク州ナイヤガラで伐採された良質のホワイトアッシュを使用。厳しい管理のもと、入庫・管理されています。
●選別・木どり
木目の状態、傷などを丹念にチェック。硬度・耐久性ともにすぐれたものを選び出し、乾燥効果を高める「木どり」作業が行われます。
●原木乾燥
ヒビ割れやハガレを防ぐため、45〜50日もの長期間にわたってじっくりと火力乾燥されます。
●中けずり
十分に乾燥された素材はバット旋盤機にかけられ、おおよその「長さ」と「形」に整えられます。
●シリコン樹脂注入
シリコン樹脂で満たされた溶液タンクは、導管への注入性を良くするため真空になっています。この中で約50分間、バット素材に真空注入が行われます。
●第一段圧縮
シリコン樹脂が注入されたバット素材を自然乾燥させた後、プレスマシンによって120℃、20分間にわたる第1回目の圧縮が行われます。樹脂が導管に入り込み、密度を高めて硬度を上げます。
●フェノール樹脂塗装
第1圧縮を終えたバット素材はフェノール樹脂塗装した後、乾燥室に入れられます。40〜50%、1時間の乾燥工程で、打球面の硬度が高まります。
●第2段圧縮
さらに120℃、1時間にわたる圧縮が行われ樹脂が完璧に導管内部に入り込みます。脅威的な硬度、抜群の反発力が生み出されます。
●最終仕上げ
職人による綿密な手作業による最終仕上げを行います。


<バットづくりの名人たち>

一本の原木に魂を入れて一人前のバットにする、そんなバット職人には”木の買い付け”と、実際にノミを使う”手ぐり”、この2つの分野に専門職が存在します。

わが国のバットメーカーの草分け的存在である、富山県福光町の波多製作所、かつてここに勤めた西村敏太郎さんは買い付け、木取りを担当してきた名人です。北海道なら日高を中心に十勝から道東にかけてアオダモを求め、九州なら大分、宮崎、熊本をまたにかけトネリコを探し求めました。

材質的に一番いいとされる、11月〜2月にかけて切り出しを行い、ほかの時期でも山に入ってアタリをつけ、年間150〜200日は山に入っていたそうです。こうして工場に入ってきた原木をバットに仕上げるのが”手ぐり”名人、同じく波多製作所の小泉忠志さん、中井征治さんです。

みなさんノミをにぎって何十年の大ベテラン。古くは掛布選手、藤田平選手、落合選手らのバットも削りました。彼らの注文はなかなかシビア、それだけに夜、家でナイターを見ていて快打が出るとホッとする、名人の表情がほころぶ瞬間なのです。手ぐり職人が原材からバットを生み出す作業は、ロクロとの戦いから始まります。

左右から釘の先のようなもので原材を挟み、モーターで高速回転させ、ノミをかけます。これをセンター出しと呼びますが、なかなか思うようにはいきません。偏ったところに取ってしまうと、極端な場合、打球部に一部カドができたり、いびつなものになってしまうのです。

最後の仕上げには”平バイト”と呼ばれるノミを使います。足のヒザはやや曲げて上体のバネとし、両脇をしっかりしめて、バットに対し斜めに刃先をあてるその姿は、ちょうどバッターボックスで構えているかのよう。これを使えるようになるには4〜5年はかかるといわれます。

グリップエンドの厚さ、丸味を出す作業も、なかなか形が決まらず、至難の技。これも3〜5年くらいかかるといわれます。こうしてみるとなんだかんだでバット作りは10年くらいで一応一人前、そんな厳しい世界なのです。

(上列右から)
内側用と石(大、小)、水と石(丸バイト用)、
油と石(平バイト、薄刃用)、水と石
(平バイト用)、と石用油
(下列右から)
丸バイト大、同小、平バイト、薄刃、
金型(2つ)、ノギス



<バットの森>

北海道の襟裳岬に近い浦河地区に1980年、「バットの森」がオープンしました。といってもバットがあるわけではありません。バット材となるアオダモ、ヤチダモが不足してきたので計画的に植林し安定供給を図る目的で作られたのです。5.5ヘクタールという広大な敷地で4000本ほどの原木を育てていく計画です。やがてアオダモは18センチ、ヤチダモは24センチになると伐採され、バットに生まれ変わります。


<金属バットのつくり方>

ここでは金属バットの製造工程を追ってみましょう。

  • 素管加工
  • スピニング加工(ここである程度バットの形にする)
  • シェジング加工(金型に素管を入れて強打し、バットの形を完成させる)
  • ヘッド加工
  • 熱処理加工(焼入れ、焼戻しで硬度と粘りをつける)

  • 発泡樹脂注入(素管内にインナー材を入れる)
  • グリップ加工
  • バフ加工
  • アルマイト加工(腐食を防ぐため)
  • 最終仕上げ(マーク・ブランド名などをシルク印刷する)


 





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